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こだわり

第131回 鈴木 郁子(2016.11.20)

海外にお仕事で行くときの楽しみの一つはその土地でのお料理に出会える事です。その地ならではのお料理、食材に出会うこと、そして現地のお料理を教えて頂いてそれを日本で再現します。もちろん日本に持ち込めないものも多々ありますけど。味覚は郷愁から出来ている要素が多いです。料理しながら食しながら出会った人々へ感謝し、何気ない友人の一言や表情を思い浮かべ、皆さまの健康と平和を祈ります。

クレモナで修行していたころからのお気に入りのパンナ・シェフpanna chef

クリーム系のパスタを作るときはこれが(私にとっては)大切です。イタリア出張時には必ず購入します。今回、パンナ・シェフのマグネットをプレゼントして頂き感動しました。

ブルガリアで出会ったシレーネチーズ

このチーズを使ったショプスサラダはブルガリアの代表料理です。
ブルガリアの野菜はとても新鮮で味が濃厚です。味付けはオリーブオイルとワインビネガーで。このサラダは食欲の無いときもさっぱりと頂く事ができ滋養に良い感じです。ブルガリア人の友人も「太らないしちゃんと栄養とれるからこのサラダはお勧め!」とおっしゃっていました。

グァンチャーレ guanciale

この10月のローマ滞在時に本場のカルボナーラやアマトレチャーナを頂いた時
[???ちょっと癖があるけど、惹かれるこの油の風味は???]
と思っていたら、使っているのがパンチェッタpancetta(豚のバラ肉の塩漬け)ではなくグァンチャーレ(豚の頬肉の塩漬け)とのことでした。

カルボナーラの作り方をイタリア各地の人々、外国人たちと話題にしたら、炎上しました。
「Panna(クリーム)をいれるかいれないか」 「卵は全卵か黄身だけか」 「いやいや1つだけ全卵でしょ」 「にんにくをいれるかいれないか」 「パスタの太さは?」 「チーズはペコリーノのみ!」 「いやパルミジャーノとのミックスでしょ」…などなど。

ローマ発祥のお料理ではありますがしっかり家庭料理として育っていることに感動しました。意見が一致したのは「グァンチャーレを使うのがottimo(最高)!!」であるということ。「グァンチャーレは重いけど重いから美味しいのよね~」って皆さま頷いていました。着地して良かったです。その夜、メールで「さっきの話だけど」とご自身のこだわりを伝えてくださった方もいらっしゃいました。

このこだわり、大切な文化だと思います。大好きです。

 

次回は12月5日更新予定です。