最近おもうこと
第79回 豊島 継男(2014.09.05)
5月に開催された関西弦楽器製作者協会の展示会では今年も参加していろいろなお客さんに楽器を弾いてもらい、またお話もできてたいへん有意義でした。
展示会ではお客さんとの交流がメインの目的なのですが、それと同じくらいに(いや、それ以上?)楽しみにしているのが若い楽器職人たちとの交流です。協会のメンバーは30代、40代が多く、子どもがいたら息子、娘ほどの若者たちといっしょに楽器の話をしたり、お酒を飲めるのはうれしいものです。
最近は私が海外に出て楽器の製作や修理を勉強しに出かけた頃とは違って、日本とイタリアを行ったり来たりするのも情報や技術を習得するのもずっと便利になりました。楽器を取り巻く環境も変わって、秋田の田舎に暮らしていると時代の流れについて行くのが精一杯(いや、遅れている!)ですがデジタル世代の若者たちにはアナログなおじさん世代にはないセンスをもっているようで違う感性をみています。
なかでも最近は女性の楽器製作者が増えたのは隔世の感があります。どうしてこんなたいへんな仕事を、なんて思ったりもするのですが展示会あとの飲み会でお酌してもらうと男社会の硬さをほぐしてくれているような気がします。
いずれにしても私自身まだまだ心は若いつもりなので彼らといっしょに過ごせる時間を大切にしたいと思っています。
次回は9月20日更新予定です。