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あなたは犬派ですか?猫派ですか?

第58回 伊東ラッザリ渚(2013.10.20)

あなたは犬派ですか?猫派ですか?
よくこの様な質問がされますが、断然私は犬派です。

私がまだ大学生の頃、ある日普段通り家に帰宅すると母がゴールデンレトリバーの子犬を両腕に抱いてお帰り~と出迎えてくれました。犬を飼おう!など一言も聞いていなかった私はびっくりした反面とても嬉しかったのを覚えています。軽い気持ちでペットショップを見に行ったら、あまりの可愛さに連れて帰ってきてしまったそうです。両親が新婚の頃飼っていた初代愛犬の名前をとって”らし”と名付けられました。

両親にプレゼントした第一作目のヴァイオリンと記念撮影両親にプレゼントした第一作目のヴァイオリンと記念撮影

家族の一員になってから11年間、私が辛かった時や嬉しかった時、そしてヴァイオリン製作をやろうと決断し、イタリア留学を決めたときも側にいて、時には励まし見守っていてくれました。イタリアから一時帰国した時には玄関までしっぽをぶんぶん振りながら嬉しそうに迎えてくれました。一年に一度の帰国でしたので、らしに会えるのが何よりの楽しみだったのは言うまでもありません。そして私がイタリアに渡った2年後、天国に旅立ってしまいました。

イタリアでは、私たちの工房の下で義理の妹夫婦がバールを経営しているので、彼女らの飼っている犬を午前中だけ工房で預かっています。キャバリア・キングチャールズのペペという6歳の男の子です。まだまだ小さいうちから工房で過ごしながら大きく育ったので慣れているのか、のこぎりで木を挽く音や、金槌で木を割る音など、大きな音にも全く動じません。いつも仕事をしている夫や私の側に来て横になって眠ったり、時には”遊んでよ”と催促したりと、気ままに過ごしています。なんだか興味のある作業をしているときは、側に来て”しっかりやれよ”、と言わんばかりにじっと見つめています。

夫ニコラの仕事を監視員のようにじっとみつめるぺぺ夫ニコラの仕事を監視員のようにじっとみつめるぺぺ 

常に集中して作業をしていて神経が張りつめた中、ちょっとした休憩の時にはすぐに寄って来て癒して元気をくれ、そしてまたよしっ!と張り切って続きの仕事へ向かわせてくれます。今では私たちの工房にはなくてはならない存在です。

私の作業机の前には今でも元気だった頃のらし写真が飾ってあり、いつも仕事をしているのを見守ってくれています。そんな2匹の愛犬にいつも活力を貰いながら日々製作活動に勤しんでおります。

次回は11月5日更新予定です。