松山市民会館
第307回 西村 啓志 (2024.12.20)
はじめまして、愛媛県松山市で主にコントラバスを作っている西村啓志と申します。
2012年から2019年末までイタリア、クレモナで勉強した後、出身地でもあるこの松山市で開業し、2024年10月に関西弦楽器製作者協会に入会させていただきました。
読書感想文や小論文など文章を考えて書くというのが非常に苦手な性格ですので、このようにコラムを書かなければならないというのは非常に戦々恐々としております。
読みにくい文章になると思いますが、どうか許してください。
私が生活している松山市は人口約50万人。東京都江東区や東大阪市と同じくらいの人口がある。
最近この松山市ではある問題が浮上している。
音響の良い、演奏に適したホールが無くなろうとしている。
松山城近くの城山公園内に松山市民会館という、大ホールに約2000人収容できる多目的ホールがある。
市内にある他の多目的ホールの床が絨毯になっていて、音が響かずクラシックのコンサートには向いていないのに対し、市民会館の床は固い素材でできており比較的音がいい。
有名ミュージシャンが音響が良くて気に入っているホールの一つらしい。
しかし完成から60年経ち、老朽化が進んでいる。
市民会館が置かれている城山公園は、今は文化財保護法に基づく史跡となっており、改築や新築ができないらしい。
かつて球場や競輪場もあったがそれらは先に移転された。
今年9月、少々場所を移して新しくなったJR松山駅の営業が始まった。
古い駅舎や車両基地の跡地に市民会館を移し、古い市民会館を閉館する計画と聞かされていたが、今年になって市長により5000席規模のアリーナの整備に方針を転換された。
ただのスポーツ用のアリーナになるのか、それとも音響も考慮されたアリーナという物になるのか、
そもそもそれが有りえるのかどうか分からないが、松山市が音楽産業に関心が無いということはよく分かった。