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会長任期を終えて

第299回 岸野 大 (2024.08.20)

本年5月に開催された第14回関西弦楽器製作者協会展示会の終了を以て3年間勤めさせていただいた協会会長職を次期会長の清水さんと交代しました。
どう考えても先頭に立って皆を引っ張っていくタイプではない性格なので、この3年間は自分にとって怒涛の日々、記憶も曖昧な部分が多いですが、この機会に少し振り返りたいと思います。

 

コロナ禍真っ只中で展示会が2年続けて中止となった2021年の6月、前会長の藤井さんより会長職を引き継ぎました。
これまで初代岩井さんから馬戸さん、藤井さんと協会メンバーの中でも関西の重鎮の皆さんが引き継いできた次が自分というのは明らかに経歴不足なのですが、それでも就任のオファーを引き受けたのは、年功序列でそのうちやらなければならないのなら早いうちにやった方が楽か、さらに苦手なお金の管理をしなければならない会計をやらされるよりはマシか、という打算があったからです。
この時点で自分の目標はこれまで続けてきた中之島での展示会をこれまで通り開催する、という事だけでした。

ところが会長就任後初めての今後の活動を話し合う会議で決まったのは、コロナ禍でも行える新しい形の展示会の開催でした。
こうして2021年の秋、予約した1組だけで1時間展示会場の楽器を自由に試奏してもらうという完全予約制展示会が開催されました。
翌2022年にはようやくコロナも終息し始め、3年ぶりに春の中之島展示会も開催、秋には前年同様予約制展示会の開催という年2回の展示会体制となりました。
さらに翌2023年には上記年2回に加えて初の東京での展示会も開催となり、さすがに負担も大きかろうという事でそろそろ会長交代のお許しをいただき、
本2024年春の展示会を最後に次を引き受けて下さった清水さんと交代となりました。

 

これだけ書くとコロナの制約がなくなるにつれて精力的に活動を拡大していった、という印象ですが、活動している形態も地域も様々なメンバーの集まりですから、それぞれの立場、不安定な社会状況から協会の活動の仕方に賛成、反対たくさんの意見もいただき、時には直接お叱りの電話やメールをいただく事もありました。

そんな中で自分の意識はなるべく波風を立てずこれまで通りの事を続けよう、という消極的なものから、ある程度自分なりの進むべき方針を決め、自分で責任を持ってそこからブレないようにしなければ協会運営も前に進まない、というも積極的なものに変わっていきました。

 

おそらくこの3年間の関西弦楽器製作者協会の活動が、全ての協会員メンバーにとって満足してもらえるものでは無かったとは思いますが、それでも自分なりには成長も出来、よく頑張ったと思える3年間でした。
これまでこのような大変な役を担って下さった歴代の会長、と新会長の清水さん、表には見えない部分で様々なサポートをして下さった役員はじめ協会員の皆さんには感謝しかありません。
本当にありがとうございました。

2024年展示会集合写真