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ニスの色について

第296回 城戸 信行 (2024.07.05)

バイオリンのニスの色は製作家のよっていろいろ違いますが、私は赤の色をドラゴンズブラッドと言う樹脂から赤色を抽出しております。
ドラゴンズブラッドは主に熱帯~亜熱帯の乾燥地帯に分布する「ドラセナ」から得られる赤褐色~茶褐色の樹液が固まった物です。

このドラゴンズブラッドはお香にも使われるそうですがとても高価な物で少しの塊でも何万円かするほど高価なものです。

私は製作を始めてからずっと下地に黄色を塗ったあと、

アルコールニスにドラゴンズブラッドから抽出した赤色を混ぜて、
はじめは薄い赤のニスから、段々と赤を濃くして仕上げる方法でニスを塗っております。

どれくらい赤くなった所で仕上げるかは毎回悩み所ではあります。
天然の色素なので、経年変化や紫外線などで色が飛んでバイオリンの色が変わってきます。


最近は色が飛ぶ事を想定して少し赤く仕上げるようにしています。
自作のバイオリンの色は作る年代によって変わってきているので、次作はどんな仕上がりになるのか楽しみです。