演奏旅行日記
4年前に一度ご縁があった秋田県の「湯沢市民管弦楽団」さんの定期演奏会のステージを
10月の終わりにご一緒させていただきました。
ある日、チェロの調整を通じて時々連絡し仲良くさせていただいている地元の女性に電話した時に
「今回、もしかしたら聴きに行くかも」って言うと、「いや、聴くだけじゃダメです。一緒に苦労してください!」(今回は特に難しい曲なんです)と言われて
急遽ビオラのエキストラとして参加することになりました(汗)。
今回コンチェルトのソロを弾いていただくピアニスト中山千晶さんのお母様の地元が湯沢市だと言うことで、楽譜が届いてからの1ヶ月の間、特にコンチェルトは必死になって勉強し毎日さらいました。
秋田県湯沢市は人口4万ほどの小さくもお酒が美味しい静かな町です。
このような小規模の町で市民オケを維持していくのは団員の方々の相当な熱意と、音楽やオーケストラに対する愛情があってのことだと思います。
今回も秋田県内だけでなく札幌、山形、仙台、会津若松、埼玉や香川など各方面からご縁のあるエキストラさんが参加されていました。
駅に到着すると団員さんが駅までお出迎えしてくださってました。そして他のエキストラさんも投宿している地元の旅館まで連れて行っていただきました。
あらかじめ手配していただいていた地元の旅館もしっとりと落ち着いた、とても気持ちが休まるところでした。
演奏会本番は、過去に例の無いほどの緊張で両手にべったりと手汗をかきましたが、
コンチェルトではピアニストの中山さんの素晴らしい音のシャワーを浴びながらオーケストラ全体のとてつもない集中力に助けられて粗相することもなく(笑)、仲間と共に素晴らしいステージを楽しく共有することができました。
金曜日の練習から参加し、日曜日の本番までの短い間でしたが団員の皆さんのホスピタリティー溢れる歓待に再び出会え、
演奏だけでなく人と人との心の交流に満ちた「またいつか参加したい!」と思える心温まる数日間を味わうことが出来ました。
また、この機会にお付き合いのある団員さんの楽器のメンテナンスも少しさせていただきましたが、
こうした形でいろんな方々と交流できるのも弦楽器技術者の醍醐味だなぁ、と改めて感じました。
そして演奏会の後、同じ秋田県にお住まいの同業者先輩の豊島継男さんを表敬訪問してから帰路につきました。
ちなみに湯沢市民管弦楽団は絶賛団員募集中とのことです。近隣のアマチュア演奏家の方、ご興味あれば是非!
毎回感動のステージを味わうことが出来ます!
以上、普段は家から出ることの無い職人のちょっと遠めの遠足のおはなしでした。
長文をお読みいただき有難うございました。