分数バイオリン
バイオリンをされている皆さんは「分数バイオリン」と言うのを聞いたことがあると思います。子供用のバイオリンの事です。それに対して大人用の通常サイズは4/4とかフルサイズと言います。
身長と楽器サイズの目安
145㎝以上 ・・・ 4/4
130㎝~ ・・・ 3/4
125㎝~ ・・・ 1/2
115㎝~ ・・・ 1/4
110㎝~ ・・・ 1/8
105㎝~ ・・・ 1/10
105㎝未満・・・ 1/16
実際に楽器を選ぶ時は本物を構えてみた方がいいと思います。
普通にバイオリンを構えて、左手でスクロールが握れるぐらいの大きさが適正です。
左から4/4,3/4,1/2,1/4,1/8,1/10
ボディの箱の中の空気の容積がその分量だからだ、という説をよく聞きますが、同じサイズの分数バイオリンでもメーカーによっていろんな大きさの物があり、最初はどうあれ現在はサイズの「呼び名」として分数を使っているのが実情です。
実際の見た目のサイズはボディの上から下まで長さで、2~3センチずつの違いです。
オーベルトの駒は1/10サイズもあります
1/8と1/16の間に1/10というサイズがありますが、メーカーによっては作られない微妙な存在です。
5~6歳くらいの子供がバイオリンを習い始める時、1/8では大きすぎ、1/10だと小さい、という場合のために中間のサイズを作ったのではないでしょうか。ぼくとしては間なら1/12じゃないか、と思いますが。
*以下<>が会社名、『』が商品名と思ってください。
主な弦メーカーのバイオリンの分数用弦のラインナップを見てみますと<トマスティーク・インフェルド>の『ドミナント』は3/4、1/2、1/4、1/8、1/16ですが、『ビジョン』では1/10サイズもあります。 SUZUKIの弦以外で1/10用として作っているのは珍しいです。
『ビジョン』と、<ダダリオ>の『ヘリコア』と『ザイエックス』、<ワーシャル>の『アメティスト』、<ピラストロ>の『エヴァ・ピラッツィ』と『オブリガート』の分数弦はフルサイズより値段が安く、子供にやさしい価格設定になっています。
<ピラストロ>の分数用の弦では3/4~1/2用、1/4~1/8用、1/16/~1/32用、とザックリとした分類になりますが小さいサイズまであります。
大人用の弦は毎年のように新製品が出ますが、分数楽器では弦の選択肢が少なく、特に分数チェロの場合は<ダダリオ>の『プレリュード』『プロアルテ』、<ピラストロの>『クロムコア』くらいしかない(?)のでもうちょっと増やしてほしいと思います。
ちなみにフルサイズの弦を分数楽器に張るとテンションがゆるい状態になります。 逆に分数楽器の弦をフルサイズにだと、、、届きません。
寸法表・2014年2月版
修理や調整で分数の楽器を預かった時、細かい寸法が分からなくて迷います。楽器を計ってフルサイズとの比較で寸法を出す、という方法もありますが、数字が細かくなり手間がかかります。そこでよく使う部分の寸法を使いやすい数字で表にしました。
ご参考までに。
推測で入れた数字もありますので実践に当てはまらない事もあると思います。ちょうどいい寸法・実際の寸法など、わかりましたら教えてください。
我が子用に作った1/64バイオリン
次回は3月5日更新予定です。