楽器が作れなかった期間
皆様こんにちは。3回目のコラムになります。宜しくお願いします。
何を書こうか迷いましたが、折角の機会なので、ここ数年考えたことについて書かせて頂きます。
私事ですが、数年前に関節リウマチと診断され、その前後しばらく楽器製作ができない時期がありました。(現在は復調して製作しております。)
過ぎてから振り返ると2年ほどの期間でしたが、その当時は日常生活もままならず、手指も曲がらなくなり、この先、楽器製作を再開することができるのか不安に思っていました。
病気になる前までは、楽器が作れなくなる日、と言うのは、いずれは来るにしても、まだ数十年は猶予があると、何の根拠もなく信じていました。
しかしある時突然、それが目の前に立ちふさがると、本当にどうしたらいいのかわからなくなりました。生活スケジュールの大半を占めていた作業ができなくなると、とても苦しいです。
まだ、もっと楽器を作りたい、製作をやめたくない、今までなぜもっと製作に多くの時間を使わなかったのか…延々と考えていると、そのストレスと、作業ができない焦りで、また病気も悪化すると言う状況でした。
薬をいろいろ変えてもらったりして調子を見る日々の後、ある時考え方を変えてみました。この先病気が良くなって、作業を再開したときに役立ちそうなことで、今できることをやってみようと考えました。
そこでデッサン力や観察力をつけようと思い、絵を描いてみることにしました。まず身近なものを描いてみたり、気に入った写真や絵の模写をしたりしてみました。
鉛筆の線1本分の幅のうち、より細い線でラインを決めるときに、
模写対象の絵や写真と、自分が描いたものとの差異を、間違い探し
そうこうして日々を送るうちに、新しく試した薬が効き始め、少し
現在は以前と変わらない量の作業ができるようになり、医療の進歩